褒められて育たなかった子

子どもは叱っちゃダメ。

なるほど、なら褒めればいいのか…!

 

ぼくはこう見えて(どう見えてるか分からないが)器用なところがある。

もちろん、不器用な部分もあるが、ある程度のことはすぐにできるようになる。

 

理由は単純、できるまでやるから。

はじめてのことは極端に下手くそだが、応用したり経験があるものはすぐにできる。

 

子どもの頃、ぼくはよく褒められていた。

 

「良い子だね」

 

「えらいね」

 

「お利口だね」

 

ぼくも褒められたくて頑張った。

 

頑張った。

 

頑張りたかった。

 

頑張れなくなってしまった。

 

良い子になりたかったのに、テストの点は悪いし、友だちともうまくいかないと(勝手に)思っていた。

 

期待に応えられなくてごめんね。

 

ちゃんとできなくてごめんね。

 

ぼくはダメな子…

 

褒められたかった。

 

でも学校にもいけない、親にも迷惑を掛けてる、ゲームばかりしてる、昼夜逆転してる…

 

褒められるところなんてなかった。

 

本当に辛かった。

 

辛いと思うことすらダメだと思うと、苦しかった。

 

死にたくない、生きたくもない。

誰の迷惑にもなりたくない。

 

消えたい。

 

そう思っていた。

 

人様と触れず、少しずつ世を捨てたいと死に向き合っていた。

 

褒めるよりも認めて欲しかった。

 

大丈夫だよって。

 

生きてていいんだよって。

 

褒められないと良い子でいられない。

良い子でいることが良いことだと信じていたにも関わらず、良い子でいられなかった。

 

ぼくは褒められると期待が義務となり、何もできなくなる。

 

ぼくは褒められると辛くなる。

器用だから期待されてしまう。

 

ぼくは褒めることはしない。

 

認めたい。

 

そして、大丈夫、を伝えたい。